ツイード生地とは、元々はスコットランド地方特産の紡毛織物のことでしたが、近年では厚地でざっくりとした織物全般を指す総称となっています。
素材もウールをはじめ、ウールとポリエステルの混紡、コットンなど様々です。
コットン素材のツイード生地は、ウールツイード特有のチクチク感がなく、柔らかい肌触りで人気が高まっています。
クラシックな印象のある生地ですが、近年ではラメ入りや多色使いの華やかなものも多く、デザインのバリエーションも広がっています。
秋冬のジャケット、スカート、パンツなどの衣類をはじめ、バッグ、ポーチなどの小物類にも使用されています。
伝統的なウール素材のツイード生地は、弾力性のあるフワフワとした糸がざっくりと織られているので、繊維に空気を多く含み保温性が高く、寒い季節に最適です。
また、ざっくりとした織りと伝統的な柄が、素朴でクラシカルな雰囲気を演出できます。
ウール素材のツイードと比べ、コットン素材の方が保温性は低くなりますが、その反面、程よい暖かさで秋~春先にかけて長いシーズン使用できるのが魅力です。
また、コットン素材のツイード生地はご家庭でお洗濯が可能なのも魅力です。(コットン素材でも生地により水洗いがおすすめできないものもあります。)
太めの糸でざっくり織られているため、ジャケットの肘やパンツの膝など継続的に負荷がかかる箇所は、一枚で使用すると生地が伸びやすい傾向にあります。
また、表面が滑らかではない生地なので、滑りはよくありません。
素材によってはチクチクとした肌触りに感じる場合があります。
裏地をつけると生地の伸びを最小限に抑えることができ、チクチク感の軽減や、滑りの悪さを解消することができます。
ざっくりした織り目なので引っ掛かりには注意が必要です。
厚手のものは、重みに負担を感じる場合があります。素材によりお洗濯方法や取り扱いが変わります。
ウール素材の場合はドライクリーニングをおすすめします。
また、目が粗いことから布目にほこりなどが溜まりやすいので、使用後はやわらかい洋服ブラシを使って、こまめにブラッシングすると良いでしょう。
コットン素材の場合はご家庭でお洗濯が可能ですが、ざっくりとした織りなので、お洗濯でかなり縮みが生じる場合があります。
そのためコットンツイード生地を使用して制作する場合は、あらかじめ地直し(水通し)をしてから裁断することをおすすめします。
また縮むことを考え、余裕をもった用尺(必要な長さ)で生地を用意すると良いでしょう。
地直しについて詳しくはこちら
コットンツイードをご家庭でお洗濯される場合は、色落ちや縮みを防ぐため、水またぬるま湯(30℃以下)に中性洗剤を入れ、やさしく手洗いしてください。
シワやねじれが生じないよう、脱水は洗濯ネットに入れてごく短時間、もしくはタオルで包んで水分を取り除くと良いでしょう。