ビニール・ラミネート生地とは?特徴や取り扱い方法

ビニール・ラミネート生地

ビニール・ラミネート生地とは?

ビニール生地とは、ポリ塩化ビニル(PVC)を原料としたシート状のビニールで、一般的に透明ビニールと呼ばれる透け感があるものが多く、撥水性、防水性に優れているのが特徴です。
薄手のものはミシンなどで縫い合わせることができるので、バッグやポーチなどの材料としても使用されています。
汚れが付した場合も落としやすいことからテーブルクロスとしても人気です。
また、透明性に優れているタイプは、間仕切りとして使用されることもあります。
光を通しながら目隠しできる模様入りの半透明タイプもあり、用途に合わせて使い分けると良いでしょう。

一方、ラミネート生地は、布の表面にポリ塩化ビニル(PVC)などをコーティングした生地です。
ビニール生地と比べ防水性は低いですが、コーティング面に撥水性があります。
布の柄を楽しみながら防汚性、撥水性も楽しめるので、バッグやポーチ、ランチョンマット、テーブルクロスなどに使用されることが多いです。

ビニール・ラミネート生地のメリット

いずれも撥水性があるので、食べこぼしなどの汚れは表面をふくだけで落とすことができます。
ビニール生地とラミネート生地では、作りが異なるため特徴やメリットは少々異なります。

ビニール生地

基本的に表・裏を気にせず使用できます。(模様入りなど例外もあり)
また、表、裏の両面に防水性があります。
切りっぱなしで使用でき、切り端の処理が不要です。

ラミネート生地

表面に表面にポリ塩化ビニル(PVC)などでコーティングされているので、表面に撥水性、防汚性があります。
また生地自体の色柄を楽しむことができます。
切り端がほつれにくいので、切りっぱなしでも使用できます。(長期間使用するとラミネート加工の劣化により、多少のほつれが生じる場合もあります)

ビニール・ラミネート生地のデメリット

ビニール生地、ラミネート生地を縫製する際、縫い間違えると穴が開いてしまうので縫い直しができません。
ソーイング初心者の方には若干取り扱いが難しいでしょう。

通気性がないため、長時間肌に密着するような衣類や帽子などのアイテムには不向きです。
印刷物などが長時間密着するとインクが色移りし、落ちにくい場合があります。
熱に弱く、アイロンは使用できません。
折り畳んで保管すると折りシワがついて取れなくなります。

ビニール生地

紫外線や長期保管、使用により黄ばみなどの変色や、劣化が生じます。
変形の原因になるためお洗濯はできません。

ラミネート生地

コーティングは表面のみなので、裏面に撥水性、防汚性はありません。
また、ラミネート生地はコーティングにより生地の持つナチュラルな風合いが損なわれる場合があります。
紫外線や長期保管、使用により変色や、劣化、コーティングの剥がれなどが生じる場合があります
コーティングの剥がれ、変形、カビの原因になるためお洗濯はできません。

ビニール・ラミネート生地の取り扱いとお手入れ方法

ビニール生地、ラミネート生地を縫製する際、通常のミシン押さえ金では滑りが悪く、生地が前方に送られていきません。テフロン加工された押さえ金や、滑り剤、薄紙などを活用すると良いでしょう。
また、待ち針を使用すると生地に穴が開いてしまうため、クリップやマスキングテープなどを使用すると良いでしょう。

ビニール生地、ラミネート生地ともにお洗濯は避けてください。 基本は、乾いた柔らかい布で表面を拭いてください。
汚れがひどい場合は、湿らせた柔らかい布で表面を拭いたあと乾いた布で拭き、湿気が残らないうようしっかり乾燥させてください。
熱に弱く変形しやすいためアイロン、乾燥機は使用しないでください。

ビニール生地、ラミネート生地をシート状のまま保管する際は折り畳まず、ゆるめに巻いて光の当たらない場所で保管してください。
また、ビニール生地、ラミネート生地を使用して制作されたアイテムを長期保管する際は、カビ防止のため汚れや水分をしっかり取り除いてから保管してください。
特にビニール生地は引っ付き防止のため、少量のベビーパウダーをふりかけ、布や紙で包んで保管するとビニール同士の引っ付きが軽減されて良いでしょう。(布、紙は印刷が写らないよう無地のものを使用すると安心です。)