ちりめん生地とは？特徴や取り扱い方法

ちりめん（縮緬）生地とは、独特のシボ（細かく寄った小さなシワ）が特徴的なクレープ織りの一種で、和服や和小物などの和風アイテムによく使用されています。
タテ糸は無撚りの糸、ヨコ糸に強撚糸のS撚り糸とZ撚り糸を打ち込み、それぞれの強撚糸が元に戻ろうとする力の働きで、表面にシボが作られています。

ヨコ糸の強撚糸の入り方でシボの出方が変わり、それによって呼び名が変わり、代表的なものには「一越ちりめん」「二越ちりめん」があります。
緯糸に強撚糸を1本だけ使ったものを「一越ちりめん」、2本使ったものは「二越ちりめん」と呼ばれ、二越ちりめんの中でも特にシボが大きいものは、鬼ちりめん（鬼シボちりめん）と呼ばれています。
「一越ちりめん」はシボが小さく柔らかい風合いで、つまみ細工などの細かい細工にも向いています。
一方「二越ちりめん」は、一越ちりめんに比べ伸縮性が高く、シボが大きくはっきりとしています。

もともとは絹で作られた高級織物でしたが、現在は絹のほか、レーヨンやポリエステルなどで作られることも多く、風呂敷やバッグ、衣装など幅広く使用されています。

しなやかで柔らかく上品な風合いがあります。
シボがあることで、あらたなシワは寄りにくく、長時間身に着けても綺麗な状態を維持しやすいのも魅力です。
シボの凹凸で独特の陰影が演出され、色合いに深みがあります。
色味や柄など和のイメージのものが主流なので、和装や和小物の制作をはじめ、和の演出に適しています。

あらたなシワは入りにくい反面、折り畳んだまま長期保管するなどして強くついたシワは戻りにくいので注意が必要です。
絹やレーヨンなど水分に弱い素材を使用している場合は、濡れると色落ちや変色、縮みが生じるため取り扱いに注意してください。

強いシワが入ると戻りにくいため強い折りシワが付かないよう、ふんわりとした状態で保管してください。
生地の状態の場合は筒状のものに巻いて保管すると良いでしょう。

同じちりめん生地でも、素材によりお洗濯方法が大きく異なります。
絹やレーヨン素材の場合は水分に大変弱く、縮みや色落ちしやすいためご家庭でのお洗濯は避け、ドライクリーニングをご利用ください。
また、湿気のある場所での保管も避けてください。
絹、レーヨン素材のお手入れについては、以下のページも併せてご覧ください。
シルク生地とは？特徴や取り扱い方法
レーヨン生地とは？特徴や取り扱い方法

ポリエステル素材の場合は、ご家庭でのお洗濯が可能です。
お洗濯の際は中性洗剤を使用し、やさしく手洗いをしてください。
タオルなどで挟んで水分を取り、形を整えて陰干ししてください。
生地を絞るとねじれやシワの原因になるので、脱水機は使用しないことをおすすめします。
熱には弱いため乾燥機の使用は避けてください。
アイロンをかける場合はあて布をして、低温で軽くかけてください。アイロンを強く押し当てないよう注意してください。